そもそも成人年齢が20歳になったのはなぜか

2021/04/30

調布で30年以上続く老舗の結婚相談所、マリエージュです。

前回の記事で、結婚について書きました。その中で成人年齢の引き下げが2022年4月に引き下げになることに触れました。しかし、成人年齢が引き下げられると言われても、なんとなくしっくりきません。しかも、20歳が成人と言うのは、感覚的なもので、その理由がよくわかりませんでした。なんとなく、「大人＝20歳くらいかな」程度の認識だったので、成人年齢が20歳に決められた理由について少し調べてみようと思いました。

前回記事　結婚とは何か　～法律上の結婚とは～

なぜ20歳が成人年齢とされたのか

日本では法律上、成人年齢は満20歳とされていますが、民法の起草者の梅謙次郎博士が「民法制定のための委員会」において、太政官布告や慣習では満20歳を成人としていて、西洋では満21歳や20歳を成人とする国があるが、日本人のように寿命が短いところでは20歳が適当だろうと述べていたそうです。また、諸外国の成人年齢はおおむね21歳～25歳だけれど、日本人は世間的知識が非常に発達しているので、20歳が妥当だろうと述べているそうです。つまり、寿命が短いことと精神的成熟が早いことから20歳に決めたようです。当時としては、「20歳」は成人年齢としては早い年齢として捉えられていた節もあり、今とは考え方が異なることを感じます。「年齢20歳が成年」と定めている現行の民法は明治29（1896）年に制定されたものですが、成人年齢が「20歳」となったのは、更にその20年前の明治9（1876）年だったそうです。難しいことはよく分かりませんでしたが、「太政官布告」の考えをもとにして民法に引き継がれ、現在まで至っているようです。つまり、明確な基準はなかったけれど、20歳なら責任を持たせられるだろうと言う考えのもと、様々な専門家が議論し、成人年齢が決まったようですね。

約140年の時を経て成人年齢が高い国になってしまった

当然ですが、140年を経て日本や世界の情勢が変わり、その変化を受け入れる形での今回の改正だと思いますが、まず、「寿命が短かったこと」については、日本人の平均寿命は、男女とも世界一だったこともあるほど延びていますし、諸外国が成人年齢を引き下げていく時代的な背景もあり、他国との比較の中で、日本は、成人年齢が高い国になってしまっていたことが今回の改正の流れにつながっているようです。

責任が重くなる若者

成人年齢を引き下げるときにもっとも気を付けなくてはいけないのは、ただ「年齢が引き下がった」と考えることはできず、それに伴って責任を負う場面が増えることをよく知っておかなくてはならないと思います。

例えば、お酒やたばこはどうするのか、成人だから18歳から飲んで良い、吸ってよいとするのかなど、議論すべき課題は山積みでしょう。ことお酒とたばこについては、主に健康上の理由から、現在の20歳以上で変わらないようですが、決めなくてはいけないことがたくさんあるような気がします。成人年齢が20歳か18歳に変わることで、様々な議論が必要になることもよくわかりました。

今回、成人年齢が20歳になった背景を調べてみましたが、年齢に関していえば、明確なルールがない中、決定しているところがとても面白かったです。つまり、最初に何かをはじめる場合、前例を探したり、その集団の中で納得が得られるような話し合いをして決めたりすると思いますが、成人年齢についても同様の考え方で制定されていたことが私個人としても意外でした。140年使って来た法律だからこそ、時代に合っていない部分があり、改正されながら現在に至っていますが、何事も最初は手探りなのは一緒なのだと思い、少し安心しました。そして、「まずはやってみよう」という精神は、いつの時代もどのような状況でも大切なのだと改めて感じました。また、成人年齢決定の際に博士たちに意見を聞きながら行っていたように、何か大切なことを決めるときには、いわゆる専門家を頼ることも必要なのだと感じました。様々な手段を通して情報を集め、決定していく過程は、人生の選択にも言えることだと思います。

婚活を始めようと思ってもなかなか前に進めないでいる人がいたら、インターネットで情報を集め、ご自身の不安を解消してください。それでも情報が足りないと感じるときには、婚活の専門家である「カウンセラー」に相談して情報を集めることも、また人生の選択をする上では必要なことなのかもしれませんね。成人年齢が20歳になった理由を調べながら、そんなことをふと考えました。

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