自分にしかできないこととは何か　～この歳になって気づいたこと～

2021/02/26

調布市で30年以上続く老舗の結婚相談所、マリエージュです。

高齢者に必要なのは「きょうよう」と「きょういく」。

初めて聞いたとき、「なるほど」と納得した記憶があります。人生１００年時代、いくつになっても学び続ける姿勢は大切だと思います。しかし、このときの「きょうよう」と「きょういく」の意味は違っていたのです。「きょういく」とは、『「今日行く」ところがある』という意味。では、「きょうよう」は？　そうです。『「今日用』事がある」という意味でした。要は、家にこもりっきりにならずに、毎日出かけようという話だったのです。

「朝起きてもすることがない」。

単純な悩みと言えなくもないですが、実はとても切実な話なんです。企業定年を迎えて地域とのつながりを持とうとすると、今までの肩書のない付き合いに戸惑い、地域コミュニティになじめないことも多いのです。そんな話をすると、若い皆さんは、「ずっと先の話」だと一笑に付されるでしょうね。ですが、この「何もすることがない」という話は、何も高齢者限定の話ではないのです。

２００４年ごろからある言葉が世間の注目を集めるようになりました。それは、「ニート」です。ニートとは、１５歳～３４歳までの無職で学校にも通っていないし、家事手伝いもしていない、働く意思のない人と言われています。２０１９年の調査では、７４万人いるといわれています。私からするとずいぶん若者ですが、このような脂の乗った時期に「家に引きこもってしまう」のは、残念でなりません。ニートがいい悪いという話ではなく、他者とのつながりが弱くなっている状態を私は心配しています。

昔は自分で働いて生計を立てることに対して多くの人が憧れを抱いていました。「周りからも一人前として認められたい」「ひとり立ちしたい」などと多くの若者が農村から都市へ、地方から東京へというような流れがありました。そして、物がなかったので、それはそれは物を大切にしました。洋服も何度も当て布をして着ましたし、何でも修理して使いました。電話やテレビが一家に一台置かれたのはいつからでしょうか。今では、一人ひとりが電話を持ち、いつでもテレビがみられる時代になりました。私は、物があふれたことでたくさんの人が幸せになったと思います。しかし、物質的に満たされた生活が当たり前になった世の中では、何をがんばればよいのかわからない若者が増えたように感じます。「自分にしかできないことは何か」と考えることは大切ですが、夢や理想を追い過ぎるがゆえに、生きることの本質を見失ってしまってはもったいないです。昔の人も豊かな暮らしがしたいと願って頑張っていましたが、その背景には、誰かを幸せにしたいという思いがその根底にあったと思うのです。今は、その気持ちを忘れて「自分にしかできないこと」を探す若者が多いと聞きます。私としては、何のために働くのか、生きるのか、それは仲間や家族や大切な人と楽しい時間を過ごすためであると私は思うのです。自分にしかできないこと、それはあなたにしか幸せにできない人を幸せにすることなのかもしれませんね。

ですので、私は、人とのつながりを大切にしてほしいと思っています。昔の仲間と会うことでもいいでしょうし、買い物に出かけるだけでも何かが変わるかもしれません。最近は、ＳＮＳを通じて誰かと交流することもできますし、その中で同じ趣味の人を見つけても良いでしょう。とにかく、一人で過ごす時間と一緒に誰かと過ごす時間も持ってみることが大切だと思います。

昔の人のように「一人前になりたい」「誰かを幸せにしたい」と願わなくても良いと思いますが、人と過ごす時間の「楽しさ」を思い出してほしいと願います。

誰にも幸せになる権利がある。私は、みなさんから見ると、婚活カウンセラーというある意味では誰でもできる仕事に就きました。しかし、たくさんの方々がご結婚される瞬間に立ち会う中で、「自分にしか結べないご縁」を大切にしてきました。このような仕事が私にとっての「自分にしかできないこと」なのではないかとこの年になって思うようになりました。みんなさんの幸せを願い、今日も「私にしかできない仕事」をしていきたいと思います。

専属カウンセラーがご成婚までサポートする結婚相談所　マリエージュでした。
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